退職を間近に控え、セカンドライフにどれぐらいお金がかかるのか、どのような対策を打てばいいのか知りたい。ねんきん定期便で将来の支給額を見るたび長生きリスクばかり心配になります。(50代、男性)

年金支給額が改定により年々下がり気味のため心配になる気持ちは分かります。実は老後のお金は比較的単純で、収入と支出を把握することから始めましょう。

まずは現在の月々の生活費を計算し、セカンドライフで省けるお金(通勤や衣服にかかる費用、外食費など)を引き、趣味や旅行などへの支出や老いとともにかかる支出を加えます。子供の教育費や住宅ローンなどのライフイベントは片付いていますが、医療や介護、終活や相続に関する費用が主たる支出となります。

医療費は、国の統計によると65歳以降の平均年額がおよそ8万円かかるとされています。急な病気やけがなどによる入院費用の自己負担分が1回の入院あたり20万円程度かかる場合があります(入院費用は生命保険文化センターの令和元年度調査から)。なお、この数字は国の高額療養費制度を利用して負担を減らした場合を想定しています。

介護費は、体力の衰えから自立した生活が困難になって以降、継続的にかかる費用です。公的介護保険サービスを利用した場合の自己負担額は5年間でおよそ580万円かかるとの試算があり(生命保険文化センターの令和3年度調査から)、有料老人ホームに入居すればさらに追加費用がかかります。その他、リフォーム費用(数百万円)やお墓の購入費(数十万円~)、葬儀費用(数十万円~)が挙げられます。

これらを年ごとに並べてみてキャッシュフローや資産の目減り具合を確認しておけば安心です。生活の窓口では、セカンドライフのお金に関するご相談も承っております。

【生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建】