台風シーズンのこの時期になると、目立って増えてくるのが「屋根修理詐欺」。造成後50、60年を経過した家屋が多い地域では、高齢者の一人住まいも多くなっており、ご注意ください。

 典型的な手口は、「たまたま近所で高所作業をしていたらお宅の屋根が見えたのだけど、この前の台風で被害を受けているようだ」と言って突然訪問してきます。「ちょうど長いハシゴがあるから無料で見てあげますよ」と屋根に上ろうとします。一般家庭では屋根に上れるような長いハシゴもありませんし、言われてみれば先日の台風は結構強く風が吹いていたなあ、などと思い当たり、親切に無料で見てくれると言うのでついつい屋根に上らせてしまいます。

 詐欺集団は屋根に上り、なんでもない屋根をわざわざ壊して写真を撮ってきます。その写真を見せて「このままじゃ次の大雨で雨漏りしますよ」と言葉巧みに高齢者の不安をあおり、家主は必要のない屋根修理工事の請負契約を結ばされてしまいます。もっと悪質なのは「火災保険に入っていれば後から保険会社に請求するとお金が戻ってくる」と言って、その場で修理(?)をしてしまうケース。火災保険の場合、被害の証明ができないと保険金を受け取れませんので注意が必要です。

 このような悪質商法に引っかからないためには、その場で修理や契約を絶対にしないことです。その上で名刺やパンフレットなどをもらい連絡先を聞き出し、家族や親族に相談しましょう。ただし、こうした悪質業者は「現場仕事で来ているので名刺やパンフレットを持ち歩いていない」とはぐらかすことがあります。

 まずは屋根に上げないこと、次に名刺やパンフレットなどで連絡先を確認すること。悪質商法かもと不安になったら、契約する火災保険会社に連絡するか、各都道府県の消費生活センターに相談しましょう。【編集部】