認知症110番の様子=認知症予防財団提供

 公益財団法人認知症予防財団(東京都千代田区、新井平伊会長)は、認知症介護の悩みなどを受け付ける無料の電話相談「認知症110番」が、資金難で閉鎖の危機にあることから存続に向けて寄付を募るクラウドファンディングを始めた。

 同財団は1990年3月に設立。認知症110番をはじめ、認知症に関するシンポジウムでの啓発活動や調査・研究事業、機関誌・出版物の発行などを行っている。認知症110番は中心事業で来年創設30周年を迎える。原則毎週月曜、木曜日の10~15時に看護師や社会福祉士などの資格を持つ相談員が交代で、これまで約3万件の相談を受けてきた。また、希望者には順天堂大医師にも相談ができるサポート体制をつくり、相談者からは「寄り添う姿勢に助けられました」などのお礼が寄せられている。しかし、景気低迷などで2015年以降、協賛社がなくなり、コロナ感染拡大が追い打ちをかけ年間約1500万円の赤字に陥っているという。

 クラウドファンディングは目標額が750万円で、電話相談員への謝礼や交通費、フリーダイヤルの電話代、順天堂大への医療相談委託料などに使用する。寄付は3000円から400万円のコースがあり、お礼のメールや寄付金領収書、認知症110番活動報告書、財団ホームページに名前掲載など、金額に応じたギフトを用意している。寄付は所得税、法人税などの控除対象になるという。募集は来年1月14日午後11時まで。

 寄付はREADYFORのサイト(https://readyfor.jp/projects/ninchishou110 )から。【関根浩一】