認知症発症への不安などに向けて脳の健康度合いをチェックするフリーダイヤルサービスを、NTTコミュニケーションズ(本社・東京都千代田区)がスタートさせた。利用者の通話する際の内容や声質などをもとにAI(人工知能)が認知機能を測定する。世界アルツハイマーデーの2022年9月21日から開始しており、来年3月まで続け、利用状況などから延長を検討する。

 サービスは、利用者がフリーダイヤル(0120-468354)に電話をかけてガイダンスの指示で利用当日の西暦日付、曜日と自身の年齢を答える。AIは声の揺らぎやトーン、発声する間隔などから現在の認知機能の状態を判断する。20秒ほどの通話で、「正常です」または「低下が見られます」の音声が流れる仕組みという。

 脳の疾病や傷害などが原因で記憶・理解力が衰える認知症は、日常生活に適応できない状態が起きたことで発症が疑われる。症状が進むと、体験した出来事の記憶を失うほか、家族の顔や日付、曜日が分からなくなり、一人で身の回りのことができず妄想が起きたりするなどの状態が挙げられる。厚生労働省の推計で2025年には65歳以上の5人に1人が発症すると言われている。

 同社第1ビジネスソリューション部の畑貴之担当課長(43)は「サービスは簡単に電話することで自分の認知機能の状態を確認できる。また、変動をいち早く知ることができるので活用してほしい。認知機能の低下が見られる人には将来的に脳トレゲームやサプリの紹介なども行っていきたい」と話している。【関根浩一】