相続税対策 生命保険の選び方は?
私が保有する資産は、自宅と預金など金融資産が主ですが、預金の割合が高く、相続人に相続税の負担がかかってしまいそうです。相続税の対策として生命保険が有効とのことですが、どのような保険がよいですか。(70代、男性)
一時払いの終身保険が一般的
相続税には3000万円+600万円×法定相続人分の非課税枠がありますが、この額を超えた資産を保有する場合は、相続税の課税対象となります。相続税を軽減する有効な対策として生命保険が挙げられますが、生命保険にも多様な商品がある上、年齢的にも新規契約にちゅうちょされる方も多いようです。
あなたの余生の生活で必要以上の預金がある場合、その預金の一部を生命保険に置き換えることで、相続税の非課税枠が500万円の法定相続人分、拡大します。活用する保険は保険料を毎月や毎年払う形式ではなく、「一時払い」の「終身保険」が一般的です。商品にもよりますが、90歳くらいまで契約可能で、加入時の健康状態の告知は簡易的なタイプが主流なため、高齢な方や健康状態に不安がある方も比較的加入しやすいのが特徴です。
また、終身保険には円建てと外貨建ての選択肢があり悩むところですが、非課税枠の活用という目的をシンプルに満たすなら、円建ての終身保険で十分でしょう。一方、終身保険は通貨の金利の影響を受けるため、金利の高い外貨を選択した方が一時払いで預けた資産の運用効果が期待できます。もちろん、保険料を預ける際と保険金を受け取る際に為替相場の影響を受けますが、受け取る保険金はドルで受け取ることも可能なので、為替リスクはある程度コントロールできます。資産運用という目的も兼ねて考えるなら、外貨建てを検討してもよいでしょう。なお、保険金は受取人の固有の財産となりますので、受取人ごとに別契約としておくことが望ましいです。<たのシニア生活彩り倶楽部アドバイザー(ファイナンシャルプランナー)平田純子>