間もなく定年退職を迎えます。退職後も就業は継続しますが、減収となるうえ、子供も就職し自立したので、この機会に保険の見直しをしたいです。シニアの保険見直しのポイントを教えてください。(50代、男性)

保険の見直しは「死亡保険」と「医療・がん保険」に分けて行います。見直しの対象とすべきは、今後も保険料負担が継続する契約です。

まずは「死亡保険」から。掛け捨て保険そのものや、一つの契約の中にある掛け捨ての特約部分は、解約を検討してもいいでしょう。現シニア世代の多くが加入している定期保険特約付き終身保険を例に挙げると、この特約部分に設定されている数千万円という多額の保険金は、当世代の多くのケースで老後生活において必要がないうえ、特約の保険料も高額だからです。

一方、「医療・がん保険」で保障期間が終身で保険料の払い込みが有期の契約、例えば現在60歳で保険料の払い込みは65歳で終了という契約の場合、家計がよほどの状況でない限り継続をおすすめします。あと数年間保険料を払ってしまえば、以降は保険料負担なしで終身の保障が得られるからです。

しかし、保険料の払い込みが終身という契約であるなら、預貯金の状況によっては解約を検討してもいいでしょう。月々数千円の保険料負担でも仮に90歳以上まで長生きした場合、60歳以降に負担する保険料総額は100万円以上になることも想定されます。

見直しを検討する際、今後払い込むであろう総払い込み保険料を計算してみると、継続か解約かの判断材料になります。保険を解約して浮いたお金は、今後長くなるかもしれない老後の生活資金として貯蓄や運用へと生かすことを検討したいものです。保険の見直しに関するご相談も生活の窓口で受け付けています。(生活の窓口)