子供や孫に生前贈与を検討していますが、先日、保険の営業職員から学資保険という形でも生前贈与が可能だと提案を受けました。既に子供が契約者となり孫の学資保険に入っているそうですが、追加契約も問題ありませんか。(70歳代、女性)

学資保険の複数契約は特に問題ありません。教育資金の贈与といえば、大きな非課税枠がある教育資金一括贈与の特例制度がありますが、使用用途や利用条件などで制限があります。その点、学資保険はあらかじめ設計された保険商品を活用するため、手軽と言えるかもしれません。

ただし、契約形態により贈与税がかかる時期が異なり、注意が必要です。あなたが契約者として保険料を支払う場合、保険料を払っている期間は所得税、住民税の生命保険料控除が受けられます。贈与税は、孫または子供が将来受け取る一時金や満期金に対して課税されますが、年間110万円以下であれば非課税です。しかし、この契約形態は、祖父母の年齢や健康状態によっては加入できない場合や保険料が割高になる場合があります。

また、子供(孫の親)が契約者となり、あなたが毎年の保険料相当額を与える形で負担することもできます。その場合、あなたの資金援助が生前贈与となり、贈与税の対象ですが年間保険料が110万円以下であれば非課税です。なお、資金提供は口座間で実施して記録を残し、祖父母と子の間で贈与契約書を口座振り込みの度に作成する必要があります。

学資保険を活用するなら、契約書作成の手間がかかりますが子供を契約者とする契約がお薦めです。保険契約の特徴から、契約者の年齢が低い方が保険に加入しやすい上、保険料そのものや受取金と保険料の関係(返戻率)の面でも有利なケースが多いからです。生活の窓口では相続に関するご相談を承っています。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>