「NISA(ニーサ)」口座で個別株を保有しています。毎年、非課税枠の120万円を使い切れずに残るため、もったいないと感じます。NISA制度が見直されるとききましたが、どのように運用を続けると良いでしょうか。(50代、男性)

長期・積み立て・分散投資を促進するために、一般NISAは2023年に終了し、新NISAが5年の措置で創設されます。

19年以降に一般NISAで買い付けた株や投資信託は、非課税期間終了後も引き続き新NISAの非課税枠に時価で全額移管(ロールオーバー)することができ、非課税の運用を5年間延長できます。2階建て構造になる新NISAにおいて、非課税枠は1階部分が年間20万円、2階部分が年間102万円です。1階部分では「つみたてNISA」と同様の金融庁が定める要件を満たした株式投資信託などを継続的に積み立て方式で買い付けることができ、2階部分では個別株も含めて幅広く買い付けることができます。

一般NISAから移管する場合、まず2階部分の非課税枠を使い切り、超過分があれば1階部分の非課税枠を費消します。非課税枠が余った場合は、一定の要件のもと、新たに買い付けが可能です。移管前に個別株の一部を売却して、1階部分は非課税枠をめいっぱい活用して新たな積み立て投資を開始できるように備えておくやり方をおすすめします。

一般NISAで今年買い付け、新NISA、つみたてNISAの順に非課税枠を最大限活用。新NISAの1階部分は簿価で「つみたてNISA」に移管できますから、通算すると最長25年も非課税で積み立て運用できます。非課税枠を使い切ることができない悩みには、一般NISAでも残り枠の範囲内で積み立て投資を設定すると良いでしょう。すぐにでも積み立て投資を始めると、時間を味方に資産形成ができます。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>