ここ数年、複数の老人ホームを見学していますが、1人暮らしができているため入居の決心がつきません。持病でいつ倒れてもおかしくないため、みとりまでお願いできる施設を選ぶべきでしょうか。(80代、男性)

「自立型」決断のタイムリミット

数年間悩んでいまだ入居していないことから推察すると、決定打がなくお困りになっているようですね。あえて環境を変えることに大きな不安を感じることは分かりますが、持病の病名を伺いまして入居を今決心するべきであると考えます。

老人ホームによって費用の差が生じる理由について触れておきます。まずハード面として、エリア、駅からの距離、部屋の広さ、築年数、共用部分の設備などが関係します。次にソフト面として、介護職員の配置人数、看護師の勤務体制、リハビリなどを専門とする機能訓練指導員の資格保有者数などが関係します。ホーム選びでは、両面から希望条件を絞りましょう。

持病を考慮すると、「自立型有料老人ホーム」への入居を決断するタイムリミットです。このタイミングを逃すと、在宅介護が困難になるまで自宅で頑張って、施設探しはお子様に託す流れとなるでしょう。

自立型有料老人ホームでは、外出など比較的自由な生活を楽しみながら、援助の必要があれば外部の訪問介護サービスを利用します。要介護度が上がると別階や別棟の介護型に住み替えることが多いです。

入居者ご本人の施設探しは自分のことなので頑張ってあれこれ情報収集しますが、かえって情報過多で疲れてしまうケースが多いように思います。運営母体の健全性やスタッフ教育、他医療機関との連携などは施設選びのプロに相談してご自身にあった施設を効率よく探してはいかがでしょう。生活の窓口では老人ホーム探しのご相談も承っています。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>