数年前につきあいのある銀行から外貨建ての保険を勧められ、安易な気持ちで契約しましたが、外貨になじみもない上、年齢的にも保険の必要性もないのにと、今ではとても後悔しています。(60代、男性)

仕組み複雑、慎重に見直して

保険契約を検討するのに際して重要なことは「加入の目的」、つまり「何のために保険に加入するのか」を整理することで、目的とは例えば、万が一の際の補償、相続税の節税や納税資金、または資産運用などが挙げられます。また、加入を検討している保険商品がその目的の達成や達成時期の面で、あなたのニーズに合致しているのか、どのようなリスクがあるのかを見極めることがとても大切です。これらの検討のステップを経ずに契約に至り、後々後悔をしているという方からのご相談が多く寄せられます。

年齢が50代以上の場合、万が一の補償というより、資産運用や相続対策との目的で金融機関から勧められたという事例が散見されます。

提案される代表的な保険商品である外貨建て終身保険は、その運用としては投資信託や債券によるものですが、保険会社を介している分、運用の効率としてよいとは言えませんし、コストの面でも割高傾向です。また、外貨建て終身保険と言っても、多種多様な商品があり、特徴やリスクの内容が難解なものが多く、商品によっては元本保証のないものも多数存在するため、加入後のトラブルも決して少なくありません。

年齢や家族の状況的に、補償の必要性がないのであれば、保険商品を介してではなく、直接、投資信託や債券に投資し運用する方が運用効果は高いと言えるでしょう。ただし、加入後、数年での解約は、受け取る解約返戻金が払込保険料を下回ることもあるので、見直しは慎重に行いましょう。生活の窓口では保険や資産運用のご相談も承っています。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>