一人息子に墓を継いでほしいが、嫌と言われた。理由は自宅から墓まで、車で1時間ほどかかるため。月2回お参りする私をみて敬遠しているふしもある。墓じまいはしたくないが、どうすればいいか。(80代、女性)

負担軽減、親子でじっくり相談を

市営の霊園で、大きくて立派なんですね。苦労して手に入れたお墓を手放したくない気持ちはよく理解できます。しかし、あなたの跡を継いで墓守をするのは息子さんです。息子さんの意向を無視してもうまく話は進まないでしょう。

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行されてから、墓じまいのご相談が多くなっています。コロナ禍で実家との間の行き来が滞っていたために、できなかったもろもろの作業に着手している方が多いのだと思います。

自分が入るお墓のことで相談に来られる方の多くは、子世代の負担を少しでも軽減するような方法を検討しています。ご自身の意向は控えめに、跡を継ぐ子世代の意向を尊重したほうがスムーズです。まずは息子さんと今後のお墓の管理方法について、時間をかけて納得がいくまで話し合いましょう。

改葬手続きに進む場合は、現在のお墓の管理者への手続き、埋葬先の確保と自治体への改葬許可申請、遺骨の移し替えが必要になります。この間、新たなお墓の費用のほかに、離檀料、遺骨の取り出し・閉眼供養、墓石の処分などにお金がかかる場合があります。

息子さんの負担を減らしつつ、きちんと供養をしてほしい場合、永代供養墓を選んで先に費用を払う方もいらっしゃいます。一定期間、個別墓を使用できるプランも比較的安く提供されていますので、親子で一緒に検討してみてはいかがでしょう。

生活の窓口では、お墓選びや墓じまいに関するご相談も承っております。

<生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建>