夫を早くに亡くし、子供には老後の面倒をかけたくないと思っています。高齢者施設などへの入所をぼんやり考えていますが、どんな手続きを踏めば入所できるのかが分かりません。(70代、女性)

先見据え、なるべく親子で選んで

老後の暮らしをご自身で考え始めたんですね。お子様に負担をかけたくないという気持ちは分かりますが、その後のサポートのこともあるので施設選びはなるべく親子で協力して取り組みましょう。

いざとなって施設選びを始めては後々後悔することになりかねません。老後のことは時間と体力があるうちに備えておきましょう。

高齢者施設は、種類や立地、サービス内容で費用が大きく変わってきます。そのため、ご自身がどの段階で施設入所されるのか、施設でどういう生活を望まれるのかをしっかりイメージすることが重要です。

入所の条件としては、要介護度、必要な医療ケア、身元保証人の有無、資産を含む収入の状況が確認できることが必須となります。これらの状況により希望する施設に入所できるかが変わってきます。

伴侶がお亡くなりになった、子供に迷惑をかけたくない、頼れる人がいないとのことから、身元保証人について悩まれる方が多くいらっしゃいます。身元保証人なしで入所できる施設はありますが、代わりに成年後見人や身元保証会社を利用する必要があります。

介護区分については原則12カ月ごとに更新の必要があるため、入所してから健康状態が悪くなったり、良くなったりで施設の入所条件に合わなくなって退所に追い込まれるケースも少なくありません。「終(つい)の棲家(すみか)」を探すよりも、その時その時の次善の策を用意しておくほうが柔軟な対応が可能です。先々の状態のことも見据えながら施設選びをされることをお勧めいたします。

<生活の窓口相談員(看護師)金石憘栄(きえい)>