地方の土地 地代が安く処分したい

地方に親から相続した広い土地があり、何軒かに借地権を設定しているが、借地料がびっくりするぐらい安い。息子らに相続させて負担をかけるぐらいなら、今のうちに底地を処分したい。(70代、女性)

まずは値上げ交渉を辛抱強く

戦後の混乱期に貸した土地に代々住み続けている借地権者がいる方からのご相談です。土地の貸し借りに関する法制度が借り手を手厚く保護しているため、長年当初の地代で更新し、固定資産税を払ったら持ち出しになるという笑えない話も聞きます。

当初はお子様が相続放棄することで底地との関係を絶とうとお考えになったようですが、ご注意ください。相続放棄すれば底地の所有権だけでなく預貯金や実家の不動産などほかの相続財産の所有権も放棄することになり、本末転倒です。

底地は固定資産税などの費用がかかる割にいざ売却しようとしても相場価格の3、4割にしかなりませんし、一等地でない限りそもそも買い手がつきにくいです。一方の借地権者も建て替えの際に借地権設定者の承諾が必要であるため、使い勝手が悪く、老朽化や空き家の原因になりやすいです。

当初設定した地代が安いのであれば、ひとまず借地権者との値上げ交渉を考えてみてはいかがでしょうか。急激な値上げは合意が得られないでしょうから、周辺の相場などを参考に辛抱強く話し合いを続けることになります。

お子様にどうしても負担をかけたくないのであれば、借地権者に底地を買い取ってもらうか、贈与するという方法もあります。贈与の場合、受贈者に税金がかかる場合がありますので先方にあらかじめ説明しておきましょう。

生活の窓口では、不動産が関係する相続についてのご相談も承っています。

<生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建>