相続した土地の全体像つかめず

 四国の実家に住んでいた父親が数年前に亡くなったのですが、所有していた土地がどこにどれだけあるのか分かりません。全体像をつかむにはどうすればいいでしょうか。また、相続放棄の手続きも教えてください。(60代、男性)

まず固定資産税の通知書探して

ご両親と相続についてあまり話し合うことのないまま相続が発生してしまい、途方にくれているというご相談をよくいただきます。親世代が70代後半になってくると、心身の衰えから身辺整理が進まないことが多いですので、ご家族で早め早めに話し合っておくことが肝要です。

 父親が所有していた不動産を確認するには、まず毎年自治体から送られてくる固定資産税の納税通知書を探しましょう。通知書には固定資産税の課税対象となる土地の地番や面積、評価額などが書かれています。

 次に実家のある自治体が管理している固定資産税課税台帳を所有者ごとにまとめた名寄帳を閲覧しましょう。相続人が申請者本人の確認書類に、被相続人の戸籍謄本を添付して申請します。名寄帳の写しは1通200~300円程度の手数料を支払えば入手できます。

 気をつけなければならないのは、名寄帳に記載されているのは請求をした自治体内の不動産のみであることです。ご相談のケースでは、父親が不動産を所有していると思われる自治体それぞれに請求する必要があります。

 最後に相続放棄についてお答えします。相続放棄は被相続人である父親が亡くなったことを知った日から3カ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。今回はこの申請期間を過ぎているので相続放棄はできません。遺言書がなく、遺産分割協議をしていないのであれば、ご兄弟や母親とそれぞれの法定相続分で共有している状態になります。

 「生活の窓口」では、相続に関するご相談も承っています。<生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建>