空き家の実家、固定資産税上がる?

 実家は家財道具もそのままの空き家です。管理しないと固定資産税が上がるらしいと友人から聞きました。家屋付きの土地は固定資産税が軽減されるという認識でしたが、最近、何か制度が変わったのでしょうか。(60代、女性)

放置なら減額解除も 管理・活用を

 改正空き家対策特別措置法が昨年12月13日に施行されたため、固定資産税の減額対象から外される土地が増えていくとみられています。

 相続した実家や親の施設入所により不在になるなどで、管理されずに放置されたままの空き家が多くみられます。このままでは倒壊などの恐れがある「特定空き家」になると予見された場合は、市区町村が特措法に基づいて「管理不全空き家」に指定し、改善指導することができます。

 改善が見られない場合は、最終的に固定資産税の「住宅用地の特例」(最大6分の1まで減額)という税制優遇措置を解除することができます。友人は、この管理不全空き家という新たに定められた区分について話していたのでしょう。

 固定資産税の増額を回避するには、相続登記をきちんと行い、掃除や除草など定期的に管理することが欠かせません。老朽化した家屋は解体して更地にして売却するか、リフォームして賃貸に出すなどの活用を考えてはいかがでしょうか。実家の片付けをしないまま年月がたつと、あなたもほかの相続人も整理・処分する気力を失っていくでしょう。

 解体業者に全て任せればいいと考える人もいますが、ごみは重量に応じて産業廃棄物として算出されるため費用がかさみます。本来は一般ごみであるものに余分な費用が加算され、対応が進まない原因になりかねません。空の状態にして解体した方が工期・費用の両面で合理的です。

 倒壊の危険性や近隣不動産の価値下落リスクなど近所に迷惑をかけているかもしれません。生活の窓口では空き家の相談も承っています。<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>