資産対策 独身で認知症に備えたい

 独身で兄弟姉妹もいません。老後や、認知症などの病気になった時のお金の管理に備えて、今のうちにできる対策を取っておきたいと考えています。遺贈についても教えてください。(70代、女性)

口座を集約 管理サービス利用も

 両親はすでに亡くなっているんですね。年齢を重ねてくると、大きなお金の出入りを伴う取引を決断したり、金額を把握して決められた期日までに支払いをしたりすることがおっくうになってきます。お金のことを友人や知人にお願いするのは申し訳ないという人も多いです。

 ひとつの対策として、資産をなるべくまとめることをお勧めします。いくつもある郵便局や銀行の口座を一つか二つに集約したり、株式や不動産を売却してお金に換えたりといったことです。健康状態にもよりますし、それなりに体力が要ることですので、おおむね70代後半までには済ませたほうがいいと思います。

 自身で管理できなくなった場合に備えては、資産額によって、弁護士や司法書士の事務所、信託銀行が手がけている財産管理サービスの利用を検討するとよいでしょう。信託契約▽法律行為以外のお金に関する事務委任契約▽認知機能が衰えてきた場合に備える任意後見契約――などを結ぶことができます。

 最近は、遺贈に関する問い合わせも増えています。国庫に帰属されてしまうよりは、自身の希望に添う目的に使ってほしいと願うのは、もっともなこと。遺贈先には、公益法人やNGO、NPO、大学法人などが挙げられますが、それぞれどのような取り組みをしているか分からないという相談をよく受けます。基本的に不動産の遺贈は受け付けない団体が多いので、不動産を持っている場合は売却を考える必要があります。

 「生活の窓口」では、遺贈に備えて、意向に沿った団体を一緒に探すサポートをしています。<生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建>