年金受給者 高値の株式投資に関心

 日経平均が史上最高値を更新中で、周囲の友人らが「もうけた」と話しているのを聞いて、心がそわそわしています。私は完全に乗り遅れてしまいましたが、年金受給の身でこれから株式投資を始めてもいいですか。(60代、女性)

やけどの危険 長期分散型が最適

 私は30年以上毎日欠かさず株価チャートをチェックしている無類の株好きです。ただ、投資未経験者が高値圏の相場を相手に勢いで参入したら、大やけどを負う危険性があります。

 失敗する人は、往々にして個別銘柄に一括投資します。投資初心者が一括投資を避けるべき理由は、リーマン・ショックなどの歴史的ショックが繰り返し起こるからです。相場は大きく下落するため、あっという間に資産が目減りする恐怖は耐え難いものです。大きな損失を出して株を売却し、投資から離脱する投資初心者は多いのです。

 失敗しない人は相場が下落した時こそ積極的に買い増すメンタルを持っています。心理的なバイアスにより購入する勇気が奮い起こせない期間に関わらず、投資対象と投資時期を分散して淡々と一定額の積み立て投資を実行すれば長期的に安定的なリターンを実現できるでしょう。

 65歳女性の平均余命は、令和4年簡易生命表によると、24・3年です。金融庁の資料によると、20年間保有した場合の投資収益率は年率2~8%に収れんしています。積み立て投資でも歴史的ショックを繰り返す相場は避けられませんが、安価になれば購入口数を増やせるため下落相場は投資家の味方になります。

 新NISAの長期分散型「つみたて投資枠」はこうした投資方法に最適です。世界経済の利益成長は世界の上場企業の価値を長期的に押し上げるため、日本を含む先進国や新興国の株式等に分散して投資する投資信託が人気です。生活の窓口ではセカンドライフのマネーのご相談も承っています。<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>