わざわざ指摘しないまでも、違和感、抵抗感がある言葉や言い回しがある。

 飲食店やコンビニエンスストアでの会計の際。電子マネーでなく現金で、例えば1000円札を出すとする。店員は「1000円からお預かりいたします」という。「から」とはなにか。「1000円お預かりいたします」とか「1000円頂戴します」が日本語として適切ではないか。「1000円から~」とは不思議な言い回しで、大いに気になる。

 会合の開始を告げる司会者。「ただいまから○○の会議を始めたいと思います」。「思う」のではなく「会議を始める」のであるから「~会議を始めます」がふさわしい。どうしても「思う」を使いたいのであれば「私は今から会議を始めたいと思いますが、ご参加の皆さんは賛成していただけますか」とすべきであろう。

 飲食店で料理を注文する。しばらく後に店員が運んでくる。「こちらお刺し身の盛り合わせになります」という。なぜ「お刺し身の盛り合わせです」と言わないのか。過去に「お刺し身の盛り合わせです」とサーブ(提供)したら、お客から「ぶっきらぼうな物言いだ」とか「盛り合わせになります、というのが普通だろう」などと指摘でもされたのだろうか?

 テレビを見ている。街頭でのインタビューの場面が流れる。「なんか~、ちょっと~へんな感じなんかがして~」。これらは若者言葉とも限定できない。年配者も使っている。考えながら話しているため、その時間をかせぐ言葉が「なんか~」「ちょっと~」なのかもしれないとは思うが、非常に聞き苦しい。

 総じて「言い切る」言い回しや物言いを避ける意識が働いている、と感じるのだ。へりくだる意識とも言える。それが敬意を表していると考えているのだろうか。すべての場面で、持って回った言い方をすることが相手を尊重していると感じているのだろうか。

 「言葉は通じれば良い」と割り切ることもできるが、そしてささいなことではあろうが、気になるのだ。皆さんはいかがですか?【さ】