叔母が亡くなり、相続人は私と弟の2人です。叔母の自宅に封印のない遺言が保管されていましたが、そのまま金融機関などに提出できますか? 自宅と別荘の遺品整理をする時間がなくて困っています。(50代、男性)
封印がない遺言であっても、要件を満たしていれば法的効力を伴います。財産目録以外の全文、明確な日付、氏名などを叔母が手書きしてなつ印するなど、一定の形式を備えたものが認められます。
財産目録はパソコンなどで作成でき、銀行通帳のコピー、不動産の登記事項証明書などを添付できますが、各ページに叔母の自署なつ印が必要です。
遺言は封印の有無を問わず、そのまま家庭裁判所に遅滞なく提出します。金融機関などに提出する遺言には遺言検認調書または検認済証明書が付いていることが必要になるため、あなたは家庭裁判所に検認を請求しなければなりません。
次に、お忙しい中、遺品整理をしなければならない状況なのですね。業者を利用すると費用が発生しますが、時間節約や心身の負担軽減を優先すべき場合には便利です。加えて値段が付く遺品があれば買い取りしてもらえば出ていくお金をセーブできます。値段がつかないモノでも無料引き取りが可能なら引き取ってもらい、ごみの量を減らせばさらにお金をセーブできます。
一般的な遺品整理の費用は、仕分け作業と搬出作業にかかる人件費などや一般ごみの処分費、消臭・消毒などのオプション作業費を合計した金額です。処分費は4立方メートル(標準サイズの和室押し入れ上下段)当たり約5万円を目安にしましょう。
見積もり内容に納得すれば、物量やごみ処理場の稼働状況等を考慮して作業日が決まります。作業後にようやく、家屋の売却や解体など次のステップに進むことができます。
<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>