シニアの毎日を、愉しく豊かに。

今日の一句

2022年10月

1日(土)

犬通る度に零るゝ萩の花

福桔梗

2日(日)

どんぐりや幼日行きのパスポート

ざき

3日(月)

誰ひとり知らぬ星の名賢治の忌

里すみか

4日(火)

曼珠沙華揺れてゐるのは風の方

だらのん

5日(水)

また広む休耕田の蕎麦の花

白地

6日(木)

里離れはや半世紀秋深し

季與子

7日(金)

次に逢ふ約束もせず萩こぼれ

8日(土)

狛犬の耳くすぐって蜻蛉かな

こころん

9日(日)

良いところ似ている親子秋なすび

まめばと

10日(月)

スカーフに女心の案山子かな

まめばと

11日(火)

秋蝶や言葉に浮力もらえた日

里すみか

12日(水)

過疎の村かかしは寝ずの番をする

ゆっここ

13日(木)

車椅子秋の窓辺へ連れ出せり

桜月

14日(金)

冷ややかやポストに落とす文一葉

15日(土)

詩を編むや同じ三日月分け合いて

京はこべ

16日(日)

京菓子を買ひに並びぬ秋うらら

ふゆばれにかける

17日(月)

夕暮れに自転車ふたつ秋の声

とみさん

18日(火)

子の手話を母へ伝える夜長かな

伊豆六郎

19日(水)

秋思ふ猫に悩みをうちあける

徳三郎

20日(木)

去ぬ人の後ろ姿や秋の雨

福桔梗

21日(金)

秋空をとんびは十二階あたり

まめばと

22日(土)

しみじみと独りに余る夜長かな

23日(日)

庭椅子の猫微睡みて秋の昼

桜月

24日(月)

遺されて私の為の梨を剝く

Keiko

25日(火)

友がいて子が居て孤独鰯雲

マチ

26日(水)

背に眠る子の息温し菊の庭

白地

27日(木)

菩提子の落つるところが父の墓

玉依

28日(金)

椋の実や神社の屋根に昼寝猫

伊達紫檀

29日(土)

真夜中に月に誘われ肩を抱き

とみさん

30日(日)

梨の実や甘えることのできた頃

まめばと

31日(月)

秋澄むや野外舞台の神楽笛

伊達紫檀

2022年11月

1日(火)

休日は山里暮らし胡桃割る

冬熊猫

2日(水)

銀杏散る踏めば古代の音響く

マチ

3日(木)

荒波の砕けて月の岬かな

ゆっここ

4日(金)

秋澄むや天目碗の瑠璃煌々

伊豆六郎

5日(土)

秋へんろ今日は夕陽の手前まで

BEATCAFE

6日(日)

秋澄むやけん玉の紐息づいて

まめばと

7日(月)

8日(火)

9日(水)

10日(木)

11日(金)

仰向けば凍て星一つ我を射す

ゆっここ

12日(土)

色褪せし貨車十五両冬隣

まめばと

13日(日)

神々も帰路に就く頃十月尽

冬熊猫

14日(月)

古書市や見る目触るる手文化の日

伊豆六郎

15日(火)

老舗継ぐ孫の決意ぞ新松子

伊達紫檀

16日(水)

林檎剝く君の不器用僕の嘘

大浦みもざ

17日(木)

沈む陽が身に沁む野辺に風の音

とみさん

18日(金)

秋寂ぶや風のぶつかる海の街

19日(土)

焼きたてのパンの包みや冬隣り

踏まれ麦

20日(日)

大小の布靴干すや草紅葉

白地

21日(月)

右頬に寄せる小春のカンロ飴

里すみか

22日(火)

前に抱くリュック勤労感謝の日

伊豆六郎

23日(水)

やわらかな雨降る古道お茶の花

こころん

24日(木)

大根を洗ふジャージの腕まくり

まめばと

25日(金)

冬初め自問自答の日々なりき

26日(土)

天王星月を追いかけ隠れをり

とみさん

27日(日)

夫背に味だけ褒める大根煮

伊達紫檀

28日(月)

売られ行く牛の眼の色冬の靄

白地

29日(火)

トーストのポンと飛び出す小春かな

ゆっここ

30日(水)

枯葉散る空の青さに耐えきれず

伊豆六郎

2022年12月

1日(木)

呟きはたぶん告白冬牡丹

まめばと

2日(金)

紅を差すことを覚えし七五三

3日(土)

街路樹の全て聖樹となる日かな

こころん

4日(日)

ひとり言多きこの頃大根干す

マチ

5日(月)

何事も無き一日よ浮寝鳥

6日(火)

床軋む囲炉裏の宿や冬木立

伊豆六郎

7日(水)

猫にわける刺身勤労感謝の日

里すみか

8日(木)

花ひひらぎ欠礼状に恩師の名

ほへと

9日(金)

朝靄に影絵の山や朝まだき

福桔梗

10日(土)

雨風にしなる街道冬木立

ざき

11日(日)

ふくろうや村に星占む爺ひとり

こころん

12日(月)

屑拾ふ師の息白し稽古前

伊豆六郎

13日(火)

相棒を待つて発つ鳥神渡し

里すみか

14日(水)

編み図よりずれも愛嬌の襟巻

伊達紫檀

15日(木)

盛り炭のかさっと崩れ火の粉舞う

ゆっここ

16日(金)

炭火燃ゆ遠野語り部しみじみと

ざき

17日(土)

漁終えて番屋の炭火尽きる頃

18日(日)

山眠る修験者ひとり受け入れて

こころん

19日(月)

古日記小さき嘘をひとつ足し

20日(火)

寒鴉釣り銭切れの販売機

里すみか

21日(水)

咲くように大根の葉の蒼々し

ざき

22日(木)

賀状書く眼に浮かぶ顔皆若き

季與子

23日(金)

枯蔓やチャペルの鐘の音の遠く

京はこべ

24日(土)

枯蔓や呼び出し受ける校舎裏

25日(日)

かれづるの窓辺に褪せし千羽鶴

天風

26日(月)

27日(火)

28日(水)

29日(木)

30日(金)

31日(土)

2023年1月

1日(日)

2日(月)

3日(火)

4日(水)

5日(木)

6日(金)

7日(土)

8日(日)

9日(月)

10日(火)

11日(水)

12日(木)

13日(金)

革靴の硬さに仕事始めかな

里すみか

14日(土)

酒瓶を持参飲み干す賀客かな

伊達紫檀

15日(日)

水琴の音に消えゆく牡丹雪

踏まれ麦

16日(月)

七草の名を呟きつ粥を炊く

季與子

17日(火)

玄関にほのと明るき賀客かな

18日(水)

口数が減つて四日の日が沈む

冬熊猫

19日(木)

開け放し塩鮭を焼く四日かな

やっさん

20日(金)

弧を描く鳥よ小窓の賀客かな

こころん

21日(土)

靴の紐ぎゅっと結んで初仕事

ゆっここ

22日(日)

お正月はなれて座る差し向かい

まめばと

23日(月)

先ず一矢うらなふ卯年初稽古

24日(火)

歩行器を杖に持ち替え福寿草

伊豆六郎

25日(水)

懐に抱き上げし猫寒の入

桜月

26日(木)

出漁を待つ日の長き寝正月

27日(金)

飼い犬が話し相手の寝正月

まつおひとし2

28日(土)

寝正月ふすま一つの笑い声

ゆっここ

29日(日)

初染の風は太古へ印度藍

伊達紫檀

30日(月)

偲ぶとは生きてゐること阪神忌

寧楽

31日(火)

裏白や一つ二つと幸かさね

2023年2月

1日(水)

縄跳びやテクノポップのリズム背に

2日(木)

冬の雨しごと帰りの駅ピアノ

冬すみれ

3日(金)

青空に光をかえす福寿草

マチ

4日(土)

髪切れば褒め合うランチ女正月

伊達紫檀

5日(日)

雪野菜ふんわり包む国なまり

静寂

6日(月)

物置はかつて子の部屋冬深し

寧楽

7日(火)

日の出ごと蕾の緩み冬の梅

伊達紫檀

8日(水)

バスの客二人だけかな冬ざるる

ゆっここ

9日(木)

母がゐた朝よ灯油のストーブよ

冬熊猫

10日(金)

天伸びる氷柱や今朝の武者震い

ほへと

11日(土)

算数の宿題できて冬夕焼け

季與子

12日(日)

底冷や保線員吹く呼子笛

伊豆六郎

13日(月)

紅茶入れ終の住処の冬時間

ゆっここ

14日(火)

青空へちょっと雪見と姉の逝く

白地

15日(水)

軽すぎる老猫膝に春を待つ

里すみか

16日(木)

帰り待ち夜のしじまの雪見かな

伊達紫檀

17日(金)

雪見旅ひとりのやうな顔をして

まめばと

18日(土)

たれを呼ぶ真夜の病窓虎落笛

桜月

19日(日)

加湿器にハーブを足して睦月尽

冬すみれ

20日(月)

仕舞う時失せ物出てくる春炬燵

Keiko

21日(火)

矢印をそのまま行けば春の海

マチ

22日(水)

物干しの竿の水平春の海

京はこべ

23日(木)

厳しさも消えゆらりゆら春の海

24日(金)

早春の海の匂いの岬かな

ゆっここ

25日(土)

リモコンを握って眠る春炬燵

伊達紫檀

26日(日)

水菜茹づ今日あつたこと明日のこと

まめばと

27日(月)

満作や社交ダンスの円舞曲

伊達紫檀

28日(火)

春の夜のしつとり滲む吉野和紙

桜月

2023年3月

1日(水)

愛の日や娘のエプロンの縦結び

里すみか

2日(木)

愛の日やバンドネオンの愛の唄

ゆっここ

3日(金)

今ここで言うは無粋ね春の夜

季與子

4日(土)

春の夜や洗ひ髪の香たをやかに

5日(日)

菜の花や春を迎えに薩摩富士

五六磨

6日(月)

星落ちて銀河鉄道臨時便

BEATCAFE

7日(火)

幼くて摘むにためらふ蓬かな

8日(水)

刃物屋に愛想なきこと春霙

まめばと

9日(木)

北風が作務衣の中で大暴れ

木久麻呂

10日(金)

春みぞれ源氏の恋の話など

こころん

11日(土)

老犬ののらりと避けて春の泥

ざき

12日(日)

春の泥ちょいと跳び越し縄暖簾

ゆっここ

13日(月)

山すその集落つつむ遠霞

ゆっここ

14日(火)

雛人形近く寄せたり離したり

Keiko

15日(水)

うたた寝の本の折り目や春の雨

刈屋まさを

16日(木)

半島をぐるりと包む霞かな

伊達紫檀

17日(金)

三月やボビンに綺麗な糸を巻き

桜月

18日(土)

新聞は昭和のままの雛道具

冬すみれ

19日(日)

球根の不揃いの芽や二月尽

そらいろ

20日(月)

啓蟄のメトロに探す出入口

冬すみれ

21日(火)

いしぶみに鎌倉道とあり椿

22日(水)

紅の色決まらないまま雨椿

伊達紫檀

23日(木)

24日(金)

25日(土)

26日(日)

27日(月)

28日(火)

29日(水)

30日(木)

31日(金)