子供がいない夫婦2人の高齢者世帯です。入院、入所の際に身元保証人を求められると聞き、身元保証サービスの利用を検討していますが、料金体系が複雑で分かりにくいと常々感じています。必須のサービス、個別に検討すればいいサービスに分けて教えてください。(70代、女性)

身元保証人とは、入院、入所の際の費用の連帯保証と、いざという時に治療方針を決めたり、身柄を引き取ったりする身元引き受けの両方を担う人のことです。通常お子様など家族が務めることが多いですが、独身世帯や子供がいない高齢の夫婦のみの世帯では民間の身元保証サービスを利用するケースが増えています。家族代行サービスと呼ばれるゆえんです。

身元保証人といっても求められる意味合いが異なる場合があります。身元引受人は必ず求められますが、連帯保証人については財産状況や施設の方針で必ずしも求められない場合があります。ただし、コロナ禍で入所費用の延滞が増えて連帯保証人を求める施設が増えています。身元保証人を2人求めるケースもあります。これに付帯して葬儀や納骨などの葬送支援や生前結んだ契約を解約したり、居室を片づけたりする死後事務サービス、遺産を処理する遺言執行サービスなどがあります。このうち、遺言執行には特に資格がいらないので遺産を相続する人にお願いするのもいいでしょう。

ほかに通院や買い物の付き添いといった生活支援、投資用不動産や金融資産をお持ちの方向けの財産管理などのサービスがありますが、状況に応じて検討すれば十分です。利用にあたって契約締結が必要ですので、その際の作成報酬が発生します。

身元保証サービスを利用する際は、将来の住み替えプランと合わせてどのサービスがいいのか、該当サービスを提供する事業者はどこなのかを検討してください。ご相談は生活の窓口で承っております。

【生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建】