夫婦で自宅に暮らしています。二人とも自立していて元気なのですが、高齢者施設の入居を検討しています。高齢者施設の種類が多くて迷います。自立から入居できる施設を教えてください。(70代、女性)

自立から介護付きまで入居できる3施設を比較します。

「サービス付き高齢者向け住宅」は、バリアフリー構造の賃貸住宅で自由な生活を送れます。生活相談や安否確認を受けることはできますが、基本的に看護師は常駐しておらず医療ケアは望めません。食事の提供や買い物代行などの生活支援はオプションで頼めます。認知症など介護状態が重くなると通常は住み替えが必要となりますが、介護サービスが受けられる特定施設もあります。

「住宅型有料老人ホーム」は食事や生活支援などのサービス付きです。介護サービスは外部事業者と必要分だけ選んで契約するため、健康面で少し不安があるものの、おおむね自分で生活できる方向けです。ただし、利用限度額を超過した介護サービスは全額自己負担になり、介護度が進むと費用がかさみます。看護師が常勤していない施設もあります。

「介護付き有料老人ホーム」は介護資格を持ったスタッフが24時間常駐し、看護師も常勤しています。訪問または通院で医師の診療を受けることができます。介護サービスの費用は介護度別に毎月定額です。介護度の進み具合に応じて入居エリアを分けて移動できる施設もあり、夫婦で介護状態が異なっても安心です。

元気なうちに将来を見据えて少し介護度の高い施設に入居される方がいらっしゃいますが、暮らしの自由度やほかの入居者との世代の違いから制約を感じてしまう場合があります。要望に優先順位を付けて将来の転居も考えた施設選びが大切です。生活の窓口では高齢者施設選びのご相談も承っています。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>