先日20年近く一緒に暮らしていた愛猫を亡くしました。弔いを終えてしばらくすると、猫のぬくもりが忘れられず、また飼いたくてたまらなくなりました。ただ年齢的に次の子をみとるまで元気でいられるか分からずためらっています。(70代、女性)

一度ペットのいる暮らしを経験した方の多くが、その存在を抜きにしては日々の喜びを感じられなくなってしまうという話を聞きます。ただし、犬や猫の場合、寿命は長いと15年以上にもなり、元気で世話をできるかは分かりません。生活の窓口では、無責任にペットを飼い始めることができないとお悩みの声をいただくことがあります。

動物愛護法の改正で、所有者の責務として「終生飼養」が努力義務として明記され、自治体や民間団体の取り組みによって里親制度が徐々に浸透し、飼えなくなったペットが捨てられて殺処分になる件数は大幅に減っています。高齢で飼えなくなったとしてペットを引き取ってもらうのは難しくなってきていますし、それ以前に残念な話です。それなら飼育期間が短い成犬や成猫を飼えばいいという考え方もできますが、里親になるには団体ごとの審査があり、高齢者が成犬や成猫の里親になるのは簡単なことではないようです。

こうしたお悩みを解決するために、いざというときのために〝我が子〟にお金を残すペット向けの信託商品や、これと組み合わせて老犬老猫施設という「終(つい)の住(す)み処(か)」を用意する取り組みを始めている団体もあります。ペットの行き先として、老犬老猫施設のほかに里親もあわせて募集していますので、元の飼い主とすればペットの行く末を心配せずに済むし、新たに里親になる人からすれば年齢に関係なく新たな家族を迎え入れることができます。

セカンドライフでのペットに関するご相談は生活の窓口で承っております。

【生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建】