80代の父親の物忘れがひどくなっています。将来のことを考えて認知症対策を進めたいのですが、「年寄り扱いするな」と相手にしてくれません。どうすればその気になってくれるでしょうか。(50代、女性)
子世代は心配なのに親世代が取り合ってくれないというご相談はよく頂戴します。症状を完全に改善する薬がない現状で、認知症について考えたくないのも無理はありません。しかし、最近では治療薬開発が進みつつあり、早期に発見して治療を開始すればよりお元気なままでいられます。まずは趣味や旅行、ご近所のお付き合いなどお父様が大事にしていることを長く続けていくための対策として切り出してみてください。
認知症になると判断能力が失われているため、預貯金の引き出しや契約が難しくなります。いわゆる資産凍結リスクです。後期高齢者に差しかかるあたりから、医療費や介護費などが急激に増え始めますが、資産凍結によって費用をまかなえない場合は子世代への負担が増します。そうならないための事前対策として、家族信託や任意後見人による財産管理などがあります。
楽天生命保険が全国の40、50代1000人と70代以上500人を対象に「シニアライフに関して心配なこと」をインターネットで聞いたところ、親子間で親の健康状態について話す人は6割以上に上るものの、うち認知症や介護、資産状況について話した人は3割あまりにとどまっていました。また、親の介護に関わっていきたい40、50代は6割を占めたものの、その費用は親の資産や年金から捻出すると回答した人は5割近くに上っていたそうです。親の面倒はみるが、できれば費用は親の資産からというのが子世代の本音でしょう。認知症対策に関するご相談も生活の窓口で承っております。
【生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建】