母は遠方で1人暮らしをしており、自宅を離れるつもりがないようです。この先入院した場合、退院後に要介護状態になってしまったら、在宅にこだわる母を遠方から支援する方法はありますか。(40代、女性)

急性期の治療が終わると十分なリハビリもできずに退院するため、近くに家族がいない高齢者は特に不安でしょう。突然始まる介護を遠方からでも安心して取り組める知識を習得しておきましょう。

医療ソーシャルワーカーとケアマネジャーの連携が退院時の支援において柱となります。医療ソーシャルワーカーは病院内での調整を行い、ケアマネジャーは退院後の生活を支援します。介護保険サービスを利用するには、まずお住まいの自治体に対して要介護認定の申請をして、市区町村の職員などから認定調査の訪問を受けます。お母さまが在宅介護を望んでいることを相談しておけば、円滑に居宅サービスを受けられるようにケアマネジャーがケアプランを作成して介護サービス提供事業者と連携調整します。

介護保険法に基づく地域包括支援センターでは、社会福祉士、主任ケアマネジャー、保健師等の専門職員が相談に応じてくれます。センターは中学校の学区におおむね一つ設置されており、問い合わせれば症状に応じた具体的なアドバイスをもらえますし、医療ソーシャルワーカーとも連絡を取ってくれます。

小規模多機能型居宅介護という地域密着型のサービスでは、「通い」を中心に「訪問」や「宿泊」のサービスを同一事業者内で柔軟に組み合わせて月定額利用できます。「通い」で顔なじみのスタッフに「宿泊」や「訪問」でも対応してもらえるため不安を和らげることができます。退院後は、宿泊サービスを徐々に減らして日常生活に慣らしていくことができるので遠方の家族も安心です。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>