両親は共に80代で、父のみ要介護1の認定です。両親のために高齢者施設を探し始めたのですが、ネットで検索するも数多くの施設があり途方に暮れています。施設探しのポイントについてアドバイスがほしい。(50代、女性)

余生を心穏やかに過ごせる住まい探し、昨今はさまざまな情報があふれている上、トラブルに関する報告も多く難しいですね。施設を検索する前に大きく三つの項目で条件の整理をしましょう。

一つ目は予算の把握で、年金や預貯金などの金融資産はもちろん、自宅などの不動産の時価の確認も必要です。施設の月額費用は年金収入で、入所一時金や予備費は預貯金で賄うように設計するのが一般的ですが、月額費用が重い場合は金融資産や不動産売却益をどこまで取り崩せるか検討します。入居期間は、入居時の年齢から平均余命までの期間に数年加えて見込んでおくと安心です。

二つ目が立地です。現在の居住地域に限らず、過去に住んでいた地域、子の訪問しやすさを踏まえて夫婦、親子で話し合って決めます。施設費用と立地は大きく関連性があり、予算的に厳しい場合は郊外や地方都市も選択肢に検討します。第三に施設に求めるサービスの優先順位を付けましょう。スタッフや入居者の雰囲気、ケア体制、食事や設備の内容等全てを求めれば費用がかさみます。最終的なチェックは、施設見学や入所体験で行います。

そして入所後に認知症などで要介護度が上がった場合にほかの施設に移転する必要があるか否か、移転する際に系列施設などを紹介してもらえるか否かは重要です。体力、判断力が低下した状態での新たな施設探しは極めて困難ですので早めに考えておきましょう。不動産を売却する必要があるなら認知症対策も必要です。生活の窓口では、高齢者施設探しのご相談も承っています。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>