両親はすでに亡くなっており、独身で兄弟姉妹もいません。地元にいとこがいますが、私と年齢も近いので長期的な側面では不安が拭えません。将来に向け、独り身としてのひと通りの備えをしておきたい。(50代、女性)

親が高齢者施設へ入所する際や亡くなった後の手続きをきっかけに自分自身の将来を案ずるケースが多いようで、特に50代の独身者の方から同様のお悩みが多く寄せられます。

備えとしては、死後の対策と生前の対策に分けられます。死後の対策として葬儀や納骨、住まいのあと片付け、そしてもろもろの解約事務手続きについて生前に契約を交わします。死後事務委任と言います。亡くなった後にかかる費用については、希望するサービス内容に応じて必要な費用を預託金という形で預けることが多いです。また、法定相続人がいない場合は事前に遺贈先を決めておく遺言書が不可欠です。遺言内容を実現してくれる遺言執行者も誰かにお願いしておきましょう。

生前の対策も同時に行っておくと安心です。入院や手術、そして施設入所の際は身元保証人を求められるケースが大半です。特に入院や手術は急を要することも想定されるので気兼ねなく依頼でき、機敏な対応をしてくれる身元保証人が必要です。

死後事務や身元保証を行うのに特別な資格は必要ありませんので、頼める人がいれば聞いてみましょう。事業者では二つとも一緒に対応してくれるところが多いです。ただし、契約時の契約料の他、事業者により年会費などの固定費の負担があるケース、事由発生都度の支払いとなるケースなど料金体系が複雑です。聞くところでは、総務省が事業者ヒアリングを進めているそうですので近く指針が示されると思います。

生活の窓口では、二つの対策を含む終活関連のご相談を広く承っております。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>