54歳独身です。東京都内に住み、会社勤めをしています。昨年、父が亡くなり、1人暮らしの高齢の母のことが心配です。母を呼び寄せて同居するか、私が仕事を辞め地元に戻るか悩んでいます。(50代、女性)

お父様を亡くして1人暮らしになったお母様のことが急に心配になるお気持ちはとてもよく理解できます。同居をお考えになることもいたって自然ですが、慎重になる必要があります。

高齢者にとっての住環境の変化は、本人が感じる以上に心身への負担が大きいと言われています。実際、住環境の変化から体調を崩し介護状態が進行してしまったという例は多いです。特に、郊外から都心へ、戸建てから集合住宅へとの住環境の変化は高齢者の心身に大きな影響を与えます。お母様はあなたと一緒に暮らせるならと賛同するかもしれませんが、試行期間を経るなど慎重に検討しましょう。

一方、あなたが仕事を辞めて地元に戻ることはお母様を喜ばせるかもしれませんが、あなた自身の人生の幸せについてもよく考えましょう。

もちろん、地元に戻られるかどうかを悩む気持ちはよく分かります。地方では求人数といった事情も違っているでしょう。仮に今後の収入が得られないとしても、ご自身の老後の資金計画に不安はないか検討した上で判断しましょう。

決断を急がず、休暇などを利用して帰省の回数を増やしたり、インターネットやITを活用してオンラインでの対話を増やしたりして同居せずにお母様をサポートすることができないか検討してみてはいかがでしょうか。また、実家の近くに住む親族や地域包括支援センターなどに相談して1人で抱え込まないようにしましょう。生活の窓口では、親の介護や親子のライフプランのご相談を承っています。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>