同居している母親の認知症が進んでいる気がします。一緒に暮らしていますが、仕事で家を空けている時間が長いので関わる時間が少ないです。何か予防する方法とかはないんでしょうか?(50代、男性)

生活にリズム 昼は地域の活動へ

お母様の認知症状についてお悩みですね。認知症は日常生活や社会生活が困難になる疾患の総称で、脳の器質的障害によって起こります。認知症の種類、症状はさまざまで、症状の発症や進行速度は認知症の種類や個人差で異なります。

認知症の症状は緩やかに進行していくことが多いですが、退職や引っ越し・入退院などによる環境の変化、人との関わりの薄れによる脳の刺激の低下、行動範囲の狭まりや生活動作の制限などを契機に急速に進行することがあります。家族と生活していても、日中に1人で生活している高齢者は非常に多く、症状が進行することがあります。

認知症の治療法はまだ確立されておらず、予防が大切です。自宅でできることとしては、バランスの取れた食事をとり適度な運動(脳トレ・会話含む)を心がけること、昼夜を意識した睡眠を取ることが重要です。明るい時間に体を動かし、夜暗くなってから眠りにつくという人間本来の生活リズムを身体で感じることは脳への十分な刺激となります。

逆に昼夜のリズムが取れなくなってくると症状の進行が助長されることがあります。昼間は地域で行っている集まりや教室に参加したり、介護保険サービスを使ってデイサービスや通所リハビリなどに通ったりしてもいいでしょう。サービスの利用は手続きが必要で利用までに時間がかかりますので、早めに要介護認定を受けておきましょう。難しく考えず健康診断のようなものだと伝えるといいです。具体的には、お住まいの自治体の介護保険を担当している部署にお問い合わせください。

<生活の窓口相談員(正看護師)金石憘栄(きえい)>