夫がパーキンソン病と診断されました。症状が重くなって施設での介護が必要になるまでは自宅で暮らしていこうと思います。これからの備えとして何をすべきでしょうか?(60代、女性)

指定難病、対象の制度フル活用を

パーキンソン病は脳内伝達物質(ドーパミン)の減少によって起こる疾患です。治療法はいまだ確立されておらず難病指定されています。そのため、薬物療法と運動療法が現在の治療法となっています。

主な症状としては運動機能に支障が生じ、特徴的な手足の震えや小刻み歩行などの症状が出現します。個人差はありますが、認知機能や呼吸機能にも徐々に影響を及ぼすことがあります。

備えとしてまず、公的な医療介護助成制度の活用を考えましょう。パーキンソン病は難病医療費助成制度の対象となり、現役世代の場合、医療費の自己負担割合が3割から2割へ引き下げられます。また自己負担の上限額が最大3万円となり家計への負担が減ります。

また、65歳未満でも介護保険サービスを利用でき、訪問介護や通所介護などのサービスを一定の自己負担で受けられます。お近くの地域包括支援センターか市町村の窓口で要介護認定を申請してください。

次に、生活環境の調整のため自宅のバリアフリー化などを行います。介護保険から20万円を限度として助成金が支給されますが、工事の前に申請する必要があります。

嚥下(えんげ)機能や呼吸機能が悪化すれば、在宅診療や医療行為が行える施設への入所を検討する必要が出てきます。詳しくはケアマネジャーに相談しましょう。

医療費助成や介護サービスの利用にあたっては、年収や介護区分により自己負担額が増えるリスクもあります。生活の窓口では介護とお金に関する相談も受け付けています。

<生活の窓口相談員(正看護師)金石憘栄(きえい)>