親がそろそろ要介護状態になりそうです。私は収入が少なくお金の面で親を支えられるか漠然とした心配があります。親の介護に向けて金銭面でどのような準備をしておくべきか教えてください。(50代、男性)

理想とお財布事情を勘案して

最近、親やご自身の介護に向けたマネープランのご相談が増えています。何度も経験するものではなく、お住まいや環境でニーズも異なるため正解がなく心配はごもっともです。親に納得いく医療、介護を受けてほしいという気持ちは理解できますが、多くの場合、親は親、子は子のお財布事情で計画を立てているようです。

親世代の多くはご自宅で介護を受けたいと考えています。その場合、ご本人の健康状態と階段の有無や間取り、廊下の広さなどご自宅で転倒事故が起きるリスク、断熱性を調べてヒートショックが起きるリスクなどを勘案して住み続けられるかどうかを検討します。要介護状態になっても7割の方は自宅に住み続けることを希望しますが、高齢者の事故の7割は自宅内で発生しています。

自宅だけでなく、周辺に在宅での医療、介護を支える事業者があるか、頼りになる地域包括支援センターがあるかも重要なポイントです。

自宅に住み続ける場合には、事故のリスクを減らすためにバリアフリーなどのリフォームをします。費用の一部に自治体から助成金が出ますので、手続きを把握しましょう。一方、高齢者施設への入居を検討する場合、手元資金でその先の入居費用をまかなえるか計算し、足りない場合は自宅の処分を検討します。

 認知症のリスクも重要です。症状が進むと家族のサポートや在宅介護で暮らすことが難しくなり、グループホームなどへ入居する必要が出てきます。生活の窓口では、介護のマネープランに関するご相談も承っています。

<生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建>