海へ散骨を検討 法的な問題は?

 子がおらず、自分の墓をどうするかで悩んでいます。おいに墓守を頼むのは心苦しいため、遺灰を海にまいてもらうことを考えていますが、法的に問題ないでしょうか。ハワイの海にも憧れます。(70代、女性)

粉骨にすれば可 禁止区域に注意

 砕いた焼骨(遺灰)を海にまく、海洋散骨を考えているのですね。日本国内については、現時点では散骨行為は墓地埋葬法の「埋葬」にあたらないため、法的な問題はありません。ただし、遺骨を2㍉以下の粉骨にする必要があります。粉骨にしないで、遺骨のままの状態で遺棄すると刑法に抵触します。  散骨場所は自治体の条例により禁止されている区域があるのでご注意ください。なお、禁止されていなくても漁場や海水浴場などに散骨すると風評被害につながるおそれがあり、節度を守った判断をしましょう。

 船舶で行う海洋散骨には、三つの方法があります。費用が安い方から、5万円程度の委託散骨、20万円程度の合同散骨、30万円程度の個人散骨です。委託散骨とは、業者が代理で散骨を行うため遺族は乗船しない方法です。合同散骨とは、複数の家族が乗り合わせて船をチャーターして散骨を行う方法です。個人散骨は、1家族だけで船をチャーターして散骨を行う方法です。

 死後はハワイ沖の大海原を漂ってみたいという憧れに共感します。航空機内に手荷物として遺骨を持ち込むことはできますが、荷物検査で埋葬許可証などの必要書類を紙で提示するように求められます。また、外国への入国審査は厳しいチェックを受ける可能性があるため、英訳した必要書類を事前に準備しておくように、おいに話しておきましょう。

 国や地域で手続きが異なるため、おいの負担軽減のため、生前に専門業者へサポートをお願いするのも一つの方法です。「生活の窓口」では終活の相談も承っております。<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>