高齢の両親、このまま自宅で?

 80代後半の両親は今も自宅で夫婦二人で何とか暮らしています。生活環境を変えたくないとの希望がある一方、災害時や体調の変化など心配は絶えません。このまま自宅でよいのか、高齢者施設のほうがいいのか、決めかねています。(60代、女性)

緊急時に備え、施設入所検討を

 高齢者にとって、ストレスによる心理的影響はとても大きく、住環境の変化はそのストレスの最も大きい原因と考えられます。現在、何とか暮らせているのだから、この先もできればこのままでと希望される気持ちはとてもよく理解できます。

 日常的なサポートや、体調などの変化への対策としては、自宅での介護・看護のサービスの利用に加え、見守りサービスも併せて利用すれば、ご両親や、離れて住むあなたの安心につながります。近ごろは、見守りサービスの内容の充実は目覚ましく、端末機器を操作することで、遠くにいる家族と気軽にコミュニケーションを取ることができます。機器の操作が苦手という高齢者向けにも工夫されていて、介護保険の適用が受けられるものもあります。

 一方、大きな災害への備えとしては、これらのサービスでも十分とは言えず、不安が残ります。建物倒壊や、交通・通信が途絶えてしまうと、家族であっても駆けつけることが難しくなります。このような災害時の備えとしては、建物の安全性や、受けられるサポートの面で、高齢者施設に勝るものはないでしょう。また、80代後半になると、急な体調の変化も懸念され、緊急時に対応できる態勢も整えておきたいものです。

 どの施設にするかを検討する際には、介護・看護サービスの必要性、予算、エリア、希望するサービスや設備などを勘案して選びますが、何より今の生活を崩さずに暮らせることや、困ったときのサポート態勢を重視して選びましょう。

 「生活の窓口」では、高齢者施設に関する相談も承っています。<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>