将来の介護に向けた必要金額は?

 勤務先を定年退職し、今後の生活に向け資産や保険の整理をしていますが、将来の介護の備えとしての必要金額はどのくらいですか。その備えとして民間の介護保険に加入すべきか悩んでいます。(60代、男性)

600万~700万円程度が準備の目安

 定年退職を境に多くのケースで収支のバランスが大きく変化しますし、数年後に始まる年金生活に備えて資産や保険の整理が欠かせません。これまでは妻や子供のための備えでした。これからはご自身を含めた夫婦のためにシフトしましょう。

 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(2021年度)」によると、介護の費用負担は、いずれも平均で、住宅改造や介護用ベッドの購入費といった一時的な費用が74万円、月々の費用が平均8万3000円(在宅4万8000円、施設12万2000円)、介護期間は5年ほどとなっていて、合計600万~700万円程度が準備の目安です。年齢別人口に占める要介護認定者の割合がおおよそ3割以上となる80代までに準備しましょう。

 ご相談の方のように資金の手当てとして、民間の介護保険への加入も選択肢となります。ただし、給付金(保険金)の受給開始要件や請求方法、解約返戻金の多寡が保険会社によって異なるため、加入時に念入りな確認が不可欠です。

 とくに受給開始要件には、保険会社が独自に定めた基準によるものと公的介護保険の要介護認定に連動するものがあり、自治体の要介護認定が厳格な場合には独自基準の保険会社の商品を選ぶのもいいでしょう。

 用途に制限のない現金の備えもありです。退職金など手元資金の一部を確保しておくか、NISA口座を利用して毎月2万円ずつ投資信託を買い付け、3%の運用ができれば20年後に約650万円の資金を準備できます。生活の窓口では、老後の資金計画のご相談も承っています。<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>