積み立て保険満期 一時金か年金か

 20代で加入し継続してきた積み立て保険が満期を迎えます。満期金の受け取りは一時金か、年金か、どちらがよいですか。また、当面使う予定のないお金なので、受け取らずに据え置きを検討しています。(60代、女性)

税金や今後の運用を考え選んで

 保険の契約者と満期金の受取人が同一の場合、満期金は所得税と住民税の課税対象となりますが、満期金全額に税金がかかるわけではありません。受け取りの総額から払い込んだ保険料の総額を引いた差額、つまり、保険での増額分(もうけ)が課税の対象となります。

 満期金の受け取り方によって、所得税の種類や税金のかかり方が異なります。一時金での受け取りは一時所得となり、増額分から50万円を控除した額の2分の1が課税対象です。年金での受け取りは雑所得となり、増額分の全額が課税の対象です。

 例えば、増額分が200万円の場合、一時金では課税対象は75万円ですが、年金では200万円全額です。税負担だけを考慮すると、一般的に一時金が有利です。ただし、所得の増加分は翌年の国民健康保険料や医療や介護サービスの自己負担に影響があるため、一時金受け取りを選択すると、翌年の負担が大きく増加する可能性があります。

 なお、年金方式で受け取ると、満期金を保険会社に運用してもらいながら計画的に受け取ることができるため、受け取れる総額は一時金よりも増えるケースが多く、契約によっては運用効果が高いものもあるので、保険会社にどちらが有利か問い合わせましょう。

 満期金の利用予定がない場合や逆に手元のお金を使ってしまうのが心配な場合は、契約のまま据え置いて保険会社に運用をしてもらうか、新NISAで運用すれば、非課税で運用ができおすすめです。生活の窓口では、セカンドライフの資金計画のご相談も承っています。<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>