余命少ない姉 相続など今後が心配

2人きりで暮らしてきた姉が余命少ないと医師に告げられました。残りの日々を安らかに過ごしてほしいと思う半面、姉名義の自宅のことや相続、年金頼みのこれからの暮らしのことが心配でたまりません。(60代、女性)

財産の特定から慎重に手続きを

 お姉様にお子さんがいないということですね。ご両親もお亡くなりになっているとのことですので、法定相続人はあなたのみです。トラブルになる要素は少ないと言えますが、手続きは慎重に進めましょう。

 まず、お姉様の協力を得て財産を特定します。通帳やご自宅の権利書、株券などです。特に金融機関への借金がないかどうかは念入りに調べてください。お姉様に体力があれば、財産の使い道について相談してください。やり残したことの実現に向けてサポートし、遺贈を考えているかどうかを確認します。遺書の有無も合わせて確認します。

 お姉様が亡くなってから3カ月以内にあなたが相続するか、相続放棄するかを決めて家庭裁判所に申述します。借金がある場合、借金分を差し引いた財産を限度として相続する「限定承認」を選ぶことができます。金融機関への照会事項があれば意外と時間がかかるので3カ月という時間は長いとは言えません。

 自宅の名義をご自身に変更するには、お姉様とあなたの戸籍と住民票の関連書類、自宅の固定資産評価証明書に登記申請書を加えて管轄の法務局に提出します。必要書類の詳細は法務局に聞いてください。

 生活費の多くをお姉様が負担していたんですね。今後のことが心配になるのも無理はありません。ただ、具合が悪いのにあれこれとお願いされても大変でしょうから、今後の暮らしへの不安を率直に話して協力を求めてはいかがですか。

 生活の窓口では、セカンドライフのお金や相続に関するご相談も承っております。<生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建>