夫が意識不明 今後の手続きに不安
先日急に倒れ、病院に運ばれた夫は現在も意識がありません。このまま亡くなってしまったらと考えると、相続や死後の事務手続きなど全くわからない上、手続きに期限もあると聞き、不安で眠れません。(70代、女性)
相続と死後事務 概要知り備えて
ご病状についてご心配な状況に加え、相続に関するさまざまな情報もテレビなどで見聞きされ、不安だと思います。手続きの概要を知って不安を軽減しましょう。相続発生後の手続きは、大きく相続手続きと死後の事務手続きの二つです。
相続手続きとは、被相続人(故人)名義の財産の分け方を決め、相続税を納税し、名義変更をすることです。分け方は、相続人全員が了承すれば、必ずしも法定相続割合で分ける必要はありません。決定した分け方について遺産分割協議書という書面に残します。この書面のほか、登記簿謄本などの必要書類を準備し、故人の口座のある金融機関や不動産の名義変更手続きを、管轄する法務局で行います。
相続税の申告・納税は、相続発生後10カ月以内ですが、不動産の相続登記は3年以内と時間に少し余裕があります。なお、全資産の評価額が基礎控除以下であれば税務署への申告・納税が不要です。
一方、死後事務とは、年金、公共料金の名義変更、携帯電話やクレジットカード停止に関する手続きです。年金事務所や送付されてくる請求書を参照しながら問い合わせてみましょう。手続きの方法を親切に教えてくれます。
相続に関する手続きは少なからず骨が折れる手続きです。有料で専門家に依頼する場合は分割協議書作成や登記は司法書士、相続税の申告は税理士に依頼します。被相続人としては、万が一の備えとして、預金口座や契約関連をまとめておくとよいでしょう。相続に関するご相談を承っています。<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>