1人暮らし、施設入所の時期を検討
夫を早くに亡くし、夫から引き継いだ自宅で長い間1人暮らしです。子供はいません。今は腰痛程度で、特に身体に不調はありません。将来的に老人ホームへの入所を考えていますが、いつぐらいが適当ですか。(70代、女性)
体力が必要 75歳を過ぎたら行動
いつかは老人ホームで余生をと思っていても、特に身体に不調がなければ、入居を真剣に考えません。過去の相談では、その「いつか」がわからず、老人ホームへの入所時期が遅れてしまうケースがありました。
住まいが変われば暮らしが変わります。想像以上に体力を要する上、いくつもの施設からサービス内容や料金、所在地などを比べて決断するには精神力を使います。契約に必要な書類を準備するのも骨が折れます。
入所するとなれば、持ち物の処分も必要です。国の基準では、有料老人ホームの個室は13平方メートル以上、サービス付き高齢者向け住宅で25平方メートル以上となっており、ご自宅よりも狭くなります。持っていく荷物を選び、残す荷物も親族の負担にならないように整理しておく方がいいでしょう。片付けも年を重ねると大変です。
こう考えると、個人差があるものの自分で選ぶ施設入所のタイミングは75~80歳が最後のチャンスと心得ましょう。
また、入所にあたっては、原則、身元保証人が必要です。身内や頼れる知人がいない場合は、身元保証を扱う事業者のサービス利用も検討すべき内容です。費用をまかなうために自宅の売却を考えた場合、時間がかかるので早めの行動が肝心です。
このように施設入所にあたっては、やるべきことが多く、ご自分で選びたいと思っても体力が続かずに子世代にお任せするケースを多く見てきました。ご自身で選ぶなら、健康上の不安を抱えていなくても、75歳を過ぎたら行動を起こしましょう。生活の窓口では、老人ホームの施設入所に関するご相談も承っています。<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>