猫と生活 自ら亡き後の世話が心配
19歳の猫と一緒に暮らしています。猫が長生きした場合に自分が死んだ後のことが心配です。一時預かりしてくれる動物病院はあるが、いざという時に猫の世話をお願いするにはどうすればいいですか。(80代、女性)
「ペット向け信託」や里親も選択肢
年老いた犬や猫を生涯預かる施設があるのはご存じでしょうか。老犬老猫ホームやペットホームといった施設が全国にたくさんあることが分かると思います。生前契約で一定額を支払って、いざという時にその施設でお世話していただくことが可能です。
ただ、その施設が本当に信頼できる事業者か、いざという時に誰が自宅にいる犬猫を契約した施設まで送り届けるのかなど、心配事は尽きません。その場合、あらかじめ信託した財産を使って公益法人や認定特定非営利活動法人などのしかるべき団体に調整役を委ねる「ペット向け信託」と呼ばれる仕組みがあります。
少し複雑ですが、信託会社に財産を信託するとともに公益性などの観点から一定の条件を満たした団体と契約して、いざという時にその団体が信託財産を受け取ってペットの世話をする流れです。
一方、このように大がかりな仕組みでなくても、大きくなった犬猫でも世話してくれる里親とのマッチングを担う団体も増えてきました。一般的にペットを飼うなら懐きやすい生まれたてや生後数カ月の個体が人気ですが、一度飼われた個体はしつけができていて安心だからと引き取る里親も増えつつあります。
動物愛護管理法では、一度飼ったら生涯にわたって世話する「終生飼養」を飼い主に義務づけています。初めてペットとの暮らしを考えている人やいざという時のことが心配なシニアにとっては、こうした仕組みが整えばちょっぴり安心ですね。
生活の窓口では、ペットの将来に関するご相談も承っています。<生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建>