1人暮らし 定年に向けた心得は?

来年定年退職を迎えますが、1人暮らしで仕事中心の生活を送ってきたため、退職後の暮らしのイメージがぼんやりしたままです。退職後の生活を充実させるために考えておくことを教えてください。(60代、男性)

仲間が必要 施設のお金も考えて

 退職後の暮らし(セカンドライフ)に健康はもちろん必要ですが、続くのは仲間づくりとお金です。

 まず仲間づくりについて。仕事中心で地域の集まりに今更参加しづらいという人は趣味の仲間づくりから始めましょう。すでに所属するコミュニティーがある場合は、お互いのスキルやノウハウを提供して助け合える関係に発展させると何かあった時も頼りになります。

 おひとり様のセカンドライフに必要なお金は趣味やマイカー、自宅にかかる費用を除くと、大きな支出は入院や高齢者施設への入所の際にかかるものに限定されます。

 病気治療に必要なお金は健康保険に加入していれば高額療養費制度で十分負担を軽減できます。よく先端医療にかかる治療費を心配する方がいますが、適用場面がかなり限られています。医療保険に特約をつけても保険料がそれほど上がらないことから分かります。

 すでに60代なので病気で働けなくなっても年金の繰り上げ受給や預貯金の取り崩しで対応可能です。

 民間の高齢者施設への入所に必要な金額は首都圏で一時金数百万円、月額20万~30万円程度が一般的です。特別養護老人ホームへの入居待ち期間に民間施設を利用する場合、数年間分の支出を計算してご自身の年金受給額との不足分を金融資産で賄えるか把握しておきましょう。

 不足分はリスクの少ない資産運用で増やしていきます。目標は施設入所が必要になってくる75歳をめどにしてください。

 生活の窓口では、セカンドライフのお金についてもご相談を承ります。<生活の窓口相談員(統括マネジャー)山本建>