統合失調症の長男 自分の死後は?

長男が統合失調症で次男とは険悪です。長男に万一のことがあっても次男は関わりたくないと言っています。おひとりさま同然の長男が、私の死後に困らないように備えたいです。(80代、女性)

施設選びなど第三者支援を活用

 長男は一昨年大病を患い、手術を受けたそうですね。高齢のあなたが長男のサポートを続けるのは心身ともに限界に近いと思います。兄と弟の間に適切な距離感を保つために第三者支援の活用を検討しましょう。

 今後の課題は、長男の生活基盤をより強固にすることです。入院や施設入居が必要になる場合に備えて身元保証人を見つけておきましょう。また、将来的にグループホーム入所を想定し、施設を一緒に選んでくれる支援先を手配しておきましょう。さらに、緊急時や日常生活の支援を担う事業者を確保することや、葬儀や納骨など死後の事務手続きを委任できる事業者との契約を検討することも大切です。

 原則として事業者との契約は長男が行うため、思ったように進捗(しんちょく)しない可能性があります。長男自身で財産管理を自力で行うことが難しくなった際、管理者を決める権限を長男が持つ方がスムーズなため、契約者は長男本人とするのが望ましいです。あなたが費用を負担することにして話を進めましょう。それでも契約を嫌がる可能性を考慮し、第三者契約という方法もあります。この場合、長男に代わってあなたが契約者となり費用も負担できます。

 身元保証サービスを提供する事業者はどこも設立からさほど時間がたっていないので継続性を心配する声をよくいただきます。その場合、通帳やキャッシュカードの管理はしかるべき弁護士法人に委ね、必要な分だけ事業者に支払うと安心です。次男への金銭管理状況の定期報告も対応しています。これで次男に負担をかけずに済みますね。

 <生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)長沼満美愛>