心細い独居 穏やかに過ごしたい
3年前に夫に先立たれ現在一人で暮らしています。子供もなく、頼れる親戚も近くにいないため、毎日心細く不安でたまりません。心穏やかな毎日を過ごせるようになるために何から取り組めばよいですか。(70代、女性)
身辺を整えて不安の原因明確に
生涯独身者だけでなく、子供がいない夫婦で離別や死別を経て現在1人暮らしの高齢者の中には、近くに頼れる親戚もなく不安な気持ちで毎日を過ごしているという方も少なくないでしょう。一度きりの人生、可能な限り不安を取り除き、ここからの余生を心穏やかに過ごすためにも、おひとりさまこそ終活が重要です。
おひとりさまが取り組むべき終活のポイントは大きく三つあります。まずは身の回りの持ち物の整理整頓、居住スペースの安全を確保するとともに心身ともに身軽になりましょう。次に手持ち資産の整理として金融機関やその口座番号、所有不動産の地番といった財産目録を作成します。特別な誰かに継承したい財産がある場合は、遺言書の作成も欠かせません。
最後に、自分の終末期の治療方針や葬儀についての希望を書き留めておくことです。どのような終末期を過ごしたいか、お墓の準備状況やお葬式の希望を明確に記しておけば、いざというときの手続きもスムーズです。また、認知症発症後の自己の財産管理を家族や知人、専門家に委任する任意後見や、身元保証、死後事務、見守りサービス、遺言書といった専門サービスを利用するのも一手です。
終活に取り組むことにより、漠然とした不安の原因が明確になり対策が打てるだけでなく、気持ちも前向きになれるでしょう。「立つ鳥跡を濁さず」ではないですが、自分の人生はしっかり準備して最後まで責任を持ちたいものですね。おひとりさまの終活はたのシニア生活彩り倶楽部まで。
<たのシニア生活彩り倶楽部アドバイザー(ファイナンシャルプランナー)平田純子>