自宅の借地権 登記なしと気づく

 東京都内在住です。親の代から地主に土地を借り、地代を払いながら借地上に自宅を建てて暮らしています。父親の介護のさなか、手続きに必要な自宅の登記情報を調べて借地の登記がされていないことに気づきました。どうすればいいですか。(50代、女性)

問題なし 地主との書類は大切に

 父親の自宅についてのご相談です。親世代が手に入れた不動産について登記したかどうかは今回のようなケースで調べる必要がない限り、知らないことが多いです。

 賃借人保護に重点を置き、居住し続けるために必ずしも土地の登記を必要としないのが借地権です。おそらくご自宅は借地権に基づいて建てられていると思います。地主さんとのやり取りを記した書類などを探してみてください。

 一方、権利設定にあたり登記を必要とする地上権という権利もありますが、住宅などに設定されることはほとんどないと思います。

 借地権は地主さんとの関係では、期間を定めている場合はその期間、期間を定めていない場合は30年間存続し、基本的に建物がある限り更新することができます。ただし、自宅の建築が1992年以降の場合は定期借地権でないか確認が必要です。定期借地権の場合、契約で定められた期間を過ぎれば更地にして返す必要があります。

 定期借地権でない場合も、当初の契約期間を過ぎた場合、建て直しや増改築に際して地主の承諾が必要になるので注意が必要です。

 一方、借地している土地が地主から第三者に譲渡された場合でも、お父様が借地にご自身の名義で登記した建物を所有していれば借地権を主張することができます。

 以上より借地権は必ずしも登記を必要としません。ただし、地主と交わした借地権に関する書類は大切に保管しておきましょう。心配な場合は登記に関する専門家である司法書士に相談しましょう。<たのシニア 生活彩り倶楽部マネジャー(統括マネジャー)山本建>