アパートの風呂場修理 動かぬ大家

 東京都内の賃貸アパートに一人で暮らしています。数カ月前から部屋の風呂場のタイルがはがれてきましたが、大家さんがなかなか修理をしてくれません。対応をお願いするにはどうすればいいでしょうか。(60代、女性)

自治体の指針を参考に話し合って

 快適なはずのお風呂のタイルがはがれて居心地が悪くなるとなんとなくイヤな気持ちになりますね。どんな時であれば修理をお願いできるのか明確な基準があると、大家にも強く要求できますね。

 民法などの一般的な解釈によれば、大家は借り主が通常の使用に支障を来さないための修繕をする義務がありますが、タイルがはがれた程度の比較的軽微な損耗が該当するか悩ましいところです。

 賃貸借契約に関するトラブルを未然に防ぐためのルールとして、東京都は2004年10月、「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」を策定しています。あくまでガイドラインなので法的拘束力はありませんが、業界内で守るべき指針としての一定の効力はあります。

 これによると、入居中の修繕について、通常使用に必要な修繕義務を貸主に課す一方、小規模な修繕については貸主の修繕義務を免除し、借り主が自らの費用負担で行うことができるとしています。このことを参考にして大家と話し合ってみてください。

 ガイドラインの適用対象は04年10月以降の新規契約ですが、それ以前でも参考にはなります。ただし、賃貸借契約書の特約条項で修繕義務を除外している可能性はありますのでよくご確認ください。

 契約の取り決めで解決できない場合は行政の窓口に相談できます。それでも納得できない場合は司法手続きとなります。多くは弁護士に代理人をお願いすることになりますので、お近くの弁護士会にご相談ください。<たのシニア 生活彩り倶楽部マネジャー(統括マネジャー)山本建>