介護などを受けずに健康的に日常生活が送れる期間を示す「健康寿命」が、延びていることが明らかになった。
厚生労働省が昨年末に発表した最新の2019年の数値で、男性が72.68歳、女性が75.38歳となり、前回の16年から男性が0.54歳、女性が0.59歳延びた。
背景には「平均寿命が延び、喫煙率が減少傾向で推移して高齢者の社会参加も進んでいる」ことなどがあるとされている。
健康寿命は、3年おきに公表しており、国民生活基礎調査の「健康上の問題で日常生活に影響があるか」の回答から、人口や死亡数、不健康割合を基に算出している。
また、都道府県別での健康寿命の最長は、男性が大分の73.72歳、女性が三重の77.58歳。最短は、男性が岩手の71.39歳、女性が京都の73.68歳となった。男性で2.33歳、女性で3.90歳の地域格差が生じている。
同省は13~23年度の国民健康づくり運動「健康日本21(第2次)」で、健康寿命の延伸や都道府県対策の取り組みなどを推進して地域格差の縮小も目指している。
一方、19年の平均寿命は、男性が81.41歳、女性が87.45歳。平均寿命から健康寿命を差し引いた数値は、男性が8.73歳、女性が12.07歳で、それぞれ前回の16年よりも短縮した。
同省は平均寿命の延び以上に健康寿命を延ばし、不健康になる時点を遅らせることが、個人の生活の質の低下を防ぐとともに、社会保障負担の軽減も期待できるとしている。【関根浩一】