所得税は個人の所得に対してかかる税金で、毎年1月から12月の所得に対し翌年2月から3月の確定申告で税金を計算して納税します。シニアの主たる収入源である公的年金は「雑所得」として課税の対象です。一定額以上(65歳未満は108万円超、65歳以上は158万円超)を受給する時は、所得税が源泉徴収されているので、確定申告を行って税金の過不足を精算する必要があります。年金受給者の確定申告に伴う負担を軽減するために、「公的年金などの収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金など以外の所得金額が20万円以下の場合」は、所得税の確定申告が不要という制度があります。

 制度によって多くの方が確定申告を行う必要がなくなっていますが、少し手間はかかったとしても確定申告をした方がよいケースもあります。例えば、一定額以上の医療費支払い▽マイホームを住宅ローンなどで取得▽生命保険料の支払い▽災害や盗難にあう▽ふるさと納税▽扶養家族の増加ーーなどの場合、確定申告をすることにより所得税の還付を受けることができます。

 一方、所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告は必要な場合があり、お住まいの自治体に確認をするようにしましょう。住民税額は、健康保険料や介護保険料算定の基となりますので正しく申告することが不可欠です。なお、同じ公的年金でも、障害年金や遺族年金には、税金がかかりません。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>