所得税は毎年1月から12月の収入に対して課される税金のことで、翌年の2月から3月の時期に「確定申告」という手続きで申告を行います。確定申告での所得税計算の簡単な流れは次の通りです。

 収入金額からまず必要経費(給与収入の場合は給与所得控除額)を差し引き、所得金額を算出します。その所得金額から該当する所得控除を差し引き、課税所得を計算します。

 所得控除は、すべての人が対象の基礎控除や、保険料を納めた場合の社会保険料控除、保険料を支払った場合の生命保険料控除、地震保険料控除、一定額以上の医療費負担があった場合の医療費控除、ふるさと納税をした場合の寄付金控除など全部で15種類あります。そして、その課税所得額に応じた所得税率を乗じて算出された結果が所得税となります。

 一方、企業に務める会社員の所得税は企業が代わりに申告納税をしてくれていて、一部の人を除き基本的に確定申告は必要ありません。所得税は毎月の給与から天引き(源泉徴収)になっていますが、源泉徴収額はあくまでも概算額なので年に一度精算する必要があり、これが年末調整です。

 源泉徴収額には各所得控除が考慮されていないので、生命保険契約がある場合やその年に扶養する家族が増えた場合など年末調整で精算すると税金の還付を受けることができます。毎年12月の給与手取り額が多いと感じるのは、この年末調整で税金の還付が行われているからです。年内に昇給のあった場合など追加の納税額が発生するケースもあります。

<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>