「NISA」と「つみたてNISA」は、簡単に言うとどちらも、株や投資信託などの投資商品を管理する口座のことで、日本に住む20歳以上の人が利用できますが、同時に利用できるのはどちらか一方のみです。最大のメリットは、これら口座内で管理している投資商品からどれだけもうけが出ようと税金がかからないという点です。通常、投資商品は投資した元本からもうけが出た分(運用益)に20%の税金がかかります。
また、利用上大きな違いが四つあります。まずは、口座内で管理できる投資商品は、NISAが投資信託のほか、上場株式、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)など幅広い選択が可能ですが、つみたてNISAは金融庁お墨付きの限られた投資信託のみです。原則、長期・積み立て・分散投資に適した投資信託が厳選されています。
次に、投資商品からの運用益が非課税となる期間ですが、NISAは5年間、つみたてNISAは20年間とその非課税期間に大きな違いがあります。さらに、年間で投資できる上限額にも違いがあり、NISAは年間120万円、つみたてNISAは年間40万円で、月々の積み立て額で言うとNISAが10万円、つみたてNISAが約3万3000円です。
そして最後は、運用商品の買い付け方法についてです。NISAは積み立て投資のほか、通常買い付け、つまり、好きなタイミングで年間の上限額120万円を使い一気に買い付けることも可能です。一方、つみたてNISAは、積み立て投資のみ可能です。
どちらを選べばよいかですが、投資が初めてという場合は、厳選された投資信託の中から商品を選べる点や長期運用(20年間の非課税期間)と分散投資(積み立て)により投資のリスクが分散できる点で、つみたてNISAが利用しやすいでしょう。なお、現行のNISAは2023年までで、24年からは新しいNISAのスタートが決まっています。新しいNISAについては、また別の機会に取り上げたいと思います。
<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>