リバースモーゲージは、自宅を所有している人が自宅に住み続けながら、その自宅を担保に資金の借り入れを行う制度です。契約者が亡くなった後に、担保となっている自宅を売却、または、相続人が手元資金や相続財産などの資金で借入金を清算する仕組みです。
自宅を担保にお金を借り入れるという意味では住宅ローンと同じですが、住宅ローンの場合は、元金と利息の合計額を毎月返済していく一方で、リバースモーゲージは、契約期間中の月々の返済は利息のみとなります。
一般的に60歳以上が対象で、自宅の評価額の50~80%程度が融資の上限となり、銀行など民間の金融機関や、住宅金融支援機構、都道府県の社会福祉協議会などの公的機関が扱っています。公的機関と民間の金融機関で異なる点は金利と借り入れの条件で、公的機関は民間に比べ金利が低く設定される傾向がある半面、資金の用途が老後の生活資金に限られているなど、厳しい傾向にあります。また、自宅所有がマンションの場合は、担保対象として取り扱っている機関がほとんどないため、利用が難しい現状です。
老後資金の不足を補えるというメリットもある一方、デメリットやリスクもあります。多くのケースで変動金利が適用となるため、金利が上昇すれば月々の返済負担が増加するリスクがあります。担保評価額が基本的に毎年見直されるので、自宅の担保価値が下がることで融資可能額も下がり、結果的に、借入額が融資可能額を上回った際は、超過差額分を手元資金で戻さなければならない事態もあり得ます。そして、契約期間と寿命との関係についても慎重に検討する必要があります。メリット、デメリットを十分に理解し利用を検討するようにしましょう。
<生活の窓口相談員(ファイナンシャルプランナー)平田純子>