「老化は病気である」――。ハーバード大学医学大学院のデビッド・A・シンクレア教授(遺伝学)は、共著の書籍「LIFESPAN(ライフスパン) 老いなき世界」(東洋経済新報社発行)で驚きの主張を唱えている。
シンクレア教授は老化の原因を解き、その原因を取り除けば老化を防いだりすることが可能である、老化は治療ができるのだから病気だ、というのだ。
LIFESPANは全米でベストセラーになり、世界20カ国で刊行されている人気の書籍で、日本国内の医学研究者らもシンクレア教授の斬新な発想に着目して書籍を紹介している。
シンクレア教授の「老化=病気」という主張が正しいのなら人生百年時代が進んでいる中、シニアにとっては朗報だ。病気なら治る可能性を秘めていて、研究開発が行われている特効薬を手軽に購入できる日が訪れるのではないか。そうなれば、人生百年時代どころか、110年、120年……時代がやってくるかもしれない。
「腰が痛い」「老眼で文字が見えづらい」「体力、記憶力が衰えた」などと言いながら、「老化だから仕方ない」という考え方は、「薬を飲んで早く完治しよう」に変わっていくのではないか。前向きな人生を想像することができ、思いを巡らすだけで楽しくなる。【ひ】